カリナ「捨てられた子犬のウィンターを拾った話」(Aespaウィンター×カリナの小説・WinRina)

カリナ「捨てられた子犬のウィンターを拾った話」(Aespaウィンター×カリナの小説・WinRina)

更新状況: 2022-04-01 チャプター6が追加されました! 2022-04-03 チャプター7が追加されました! 2022-04-07 チャプター8が追加されました! 2020-04-09 チャプター9が追加されました! 2022-04-14 チャプター10が追加されました! 2022-04-26 チャプター11が追加されました!

物語のあらすじ

カリナはある日、職場の近くで捨てられた子犬と出会い、 幽霊の親友エリと一緒に飼うことを決める。 しかし、実はその子犬は”ただの子犬”ではなかったのだ!

原作 “My Secret Puppy” https://www.wattpad.com/story/304323780-my-secret-puppy-%EB%82%98%EC%9D%98-%EB%B9%84%EB%B0%80-%EA%B0%95%EC%95%84%EC%A7%80-winrina

K-POPガールズグループ「Aespa」のウィンターとカリナが登場するフィクションストーリーです。

登場人物

カリナ: フラワーショップを営む女の子。ある日、捨てられた子犬のジョギ(ウィンター)と出会う。幽霊が見える。

エリ: 幽霊の女の子。カリナとは親友でよく一緒にいる。

ジョギ(ウィンター): 元の飼い主に捨てられてしまったところをカリナに拾われる。可愛らしい子犬かと思いきや実は・・・!

ニンニン: ジョギ(ウィンター)の元の飼い主の娘。ニンニンはジョギが大好きで捨てられてしまったジョギをとても気にかけている。

チャプター1(フラワーショップ)

朝日が昇るころのある日の早朝、 カリナはいつものように仕事へ行く前の身支度をしていた。

歯を磨いて、顔を洗って、朝食も食べて準備は完了。

カジュアルな私服で家を出ると 自転車に乗って職場に向かう。

彼女が生まれ育ったこの地域では 町で出会う人たちもすっかり顔なじみだ。

おじさん「おはようカリナちゃん」

カリナ「おじさん、おはよう~!」

おばさん「おはよう ジミン(カリナの本名)や~」

カリナ「おばさん、おはようございます!」

おじさん「お~カリナ嬢ちゃん!いってらっしゃい。」

カリナ「いってきます~!」

これがカリナの毎朝の始まりだ。 カリナの職場はそれほど遠くはなく、家から1km圏内の場所に勤めている。

職場に着いて自転車を止めると朝の新鮮な空気を吸い込むと、空気の新鮮さに思わず笑みがこぼれる。

今日はすごく気分がいい。

「なんだか今日はいいことがありそう♪」 そう言ってカリナはフラワーショップへと入った。

 

 

フラワーショップにて

「エリや~!内永エリ~!」(エリはジゼルのこと) カリナは姿が見えないエリの名前を呼んだ。 名前を呼んでみてもエリの姿は見当たらない。

「あれ?またあの子いないの?ここ最近どうしたんだろう」 カリナはそう言ってエプロンをとりにカウンターに向かった。

カリナは一人暮らしをしている22歳の女の子だ。 今はフラワーショップを継いで営んでいる。

あ!そう! それとカリナは10歳のころから幽霊が見える体質だが 今ではすっかり慣れてしまった。

先ほどからカリナが探しているエリは実は幽霊の女の子だ。 彼女がフラワーショップで働きだした初日に出会った。 エリは幽霊だが、とても友好的で全然怖くないため 今ではすっかり仲良しだ。

チリーン。

ドアのベルが鳴った。 最初のお客さんだ。 カリナは店のドアを見に行くと そこにはお客さんとそのすぐ後ろを歩くエリがいた。

カリナ「いらっしゃいませ~!」 カリナは笑顔でお客さんを迎えながら後ろにいるエリをちらりと確認した。

お客さん「ブーケフラワーをひとついただけるかな?今日は彼女の誕生日なんだ」 お客さんが笑いながら言うとカリナは頷いて紙に何かを書き始めた。

カリナ「お花をあげるなんていい彼氏さんですね!わかりました。ブーケお1つですね」 カリナはそう言ってブーケを作る花を選びに奥の部屋に向かった。

エリ「どうしてそんな風に私をみるの?」 エリは花を選んでいるカリナに聞いた。

カリナ「最近どこ行ってたの?いつも急にいなくなるんだから」 お客さんには聞こえないように、カリナは声を落として答えた。

エリ「あ~実はね…。子犬って知ってる?耳がとんがってて鋭い歯と爪で、手足がモフモフだけど冷たい目をしてる動物なんだけど」

カリナ「冷たい目って?子犬はみんなキュートな目をしてるじゃない?」

エリ「あ、子犬を知ってるんだ!」

カリナ「バカ、もちろん知ってるわよ!22年生きてきて見たことないわけないじゃない。それより、質問に答えなさいよ!」 カリナはそう言うと、立ち上がって選んだ花を持ってカウンターに向かった。

エリ「冷たい目をした子犬がいてさ。たぶん飼い主に捨てられたのかな?店のすぐそこにいたんだけど、段ボールの箱に入ってたんだ。」 エリが言い終わる間にカリナは花の包装を終えた。

お客さん「いくらですか?」

カリナ「1万ウォンになります」

お客さんがお金を払い、受け取った花を持ってお店を出ると再びカリナはエリに聞いた。 「その話、もう少し詳しく聞かせて。この近くで見つけたって?」

エリ「そう!もう5日もそこにいるんだけど・・・。誰もご飯をあげないから私があげてたんだ。ドッグフードを近くの店から拝借しちゃったけどエヘヘ。イタッ!」 エリは嬉しそうに言うと同時に不意に痛みを感じた。

ペシッ!!

エリ「イタ~ッ!ちょっと!痛いでしょ!」 カリナに叩かれた箇所をいたわりながら言うエリ。 不思議なことにカリナは見えるだけでなく幽霊に触ることもできる。

カリナ「やー!!私はドッグフードも買えないくらい金欠じゃないわよバカ!物を盗むなんて何やってんの!」 カリナはエリを怒った目で見ながら言った。 エリはカリナと距離を取りながら口をとがらせた。

エリ「ひーん!叩くなんてひどい!」

カリナ「それで?あなたが最近急にいなくなるのはそれが原因なの?」 再びカリナはエリに訊ねるとエリは頷いた。

カリナ「まったく。次は私に言ってよ。その子の餌くらい私が買うから。もう盗んだりしないでよ!いくらあなたは幽霊で他の人には見えないからってやったらダメなこともあるんだから。」 ガミガミ言うカリナに思わず目を覆うエリ。

エリ「わかった!わかったから!わかりましたよ!」

カリナ「仕事終わったら、私をその子のところに連れてって。いい?」

エリ「は~い!わかりましたよ~!カリナ様の仰せのままに~!バカカリn…」

ベシッ!!

エリ「痛ーい!!もう!叩かないでってば~!」

チャプター2(新しい家)

カリナ「子犬は?」

エリ「あそこ!段ボール箱が見えるでしょ?」 エリは突き当りを指さして言った。

カリナがエリが指さす方向に歩いて行った。

カリナ「わぁ。白い子犬じゃない~!」 ポツンと箱のなかにいる子犬はとても可愛らしく、カリナは子犬を見つけると思わず笑顔になった。

エリ「この子の目を見て」

カリナ「あ~確かに。冷たい目をしてるね。それでも可愛らしいよ」 カリナはドッグフードを開けると箱の中に入れた。

カリナ「あいご~いっぱい食べな~」 カリナとエリは箱のそばにしゃがんで、美味しそうにご飯を食べる子犬を見つめていた。

エリ「この子、名前はなんていうのかな?」

カリナ「ねぇワンちゃん、あなたの名前は---」 カリナがそう言いかけたとき、誰かが話しかけてくる声に遮られた。

「あの…すみません…」 振り返ると、ひとりの女の子がこちらを見ながら立っていた。

女の子「あなたが最近ジョギに食べ物をくれていた人?」 女の子はカリナに訊ねた。

カリナ「ええっと…」 質問に対してどう答えたものかと悩んでいると、再び女の子は口を開いた。

女の子「いえ…毎日ジョギがどうしてるか見に来てたんだけど、いつもご飯が置かれてあるから。あなたがやってくれたのかと思って」

カリナ「あ、あぁ~!そう!私がやってたの」 さすがに幽霊の友達エリがご飯をあげてたとは言えないカリナはそう答えた。

女の子「ありがとう!」

カリナ「ところで、ジョギって?」

女の子「その子の名前がジョギっていうの。数日前まで私が飼ってたの。でも両親が大喧嘩しちゃって捨てられちゃって…」

女の子は俯きながら説明した。

女の子「オンニ…って呼んでいいのかな?実はひとつお願いがあって」

カリナ「えぇ、もちろん。」

女の子「この子を引き取ってもらえませんか?」

カリナ「えぇっと…うーん…」 一瞬、家で子犬が飼うのも悪くないと思った。 しかし、あまりにも突然の依頼に彼女はあっけにとられてしまった。

エリ「引き受けようよ!カリナ!寛大な心をお持ちの天使カリナでしょ!ほら!ほら!」 すぐそばで言うエリにイライラしたカリナは隣にいる幽霊を殴ってやろうかと思った。

カリナ「わ、わかった!じゃあ子犬は私のところで預かるわ」 少し迷いを残しながらもカリナはそう答えた。

女の子「やった!ありがとうオンニ~!」

女の子は嬉しさのあまりカリナへ駆け寄ってハグをした。

カリナ「どういたしまして。」 カリナは笑顔で言った。

カリナ「私はカリナ。そこのフラワーショップで働いてるから。もし何かあったら訪ねてきてね」

ニンニン「私はニンニン。わかった!ありがとうオンニ。ジョギをお世話してくれる人がいてくれてよかった!」 ニンニンは嬉しそうに言った。

隣でその様子をみていたエリは嬉しそうな女の子に思わず笑みがこぼれた。

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カリナ「はぁはぁ、、、ほんとに大きな箱ね…」 箱を持ちながら自転車を押しながら歩くカリナはつぶやいた。

エリ「私はさっき代わりに持とうかって聞いたのに」

カリナ「箱が浮いてるのを他の人に見られたらどうするのよ。街中大騒ぎよ」

エリ「じゃあカリナが頑張るしかないね~」 苦しそうなカリナにニヤニヤしながら言うエリ。

そうこうしているうちに1kmほど歩いてようやく家の前にたどり着いた。 他に誰もいないことを確認したカリナはエリに持っていた箱を渡した。

家に入るとエリはジョギを箱から出してあげた。

カリナ「はぁ。朝はいいことがあるかと思ってたのに、こんなことになるなんて」 カリナはため息をついた。

箱から出たジョギはソファに上ると、カリナのすぐそばで横になった。 カリナはフワフワなそれをチラッと見るとまた視線を戻した。

エリ「ただ子犬を引き取っただけでしょ?この子は別に何も悪いことはしないって」

カリナ「だといいけど・・・」 そう言うとカリナは眠気に誘われて目を閉じた。 まだ洗い物も残っていたが疲れてしまったカリナは眠りにつくことにした。

カリナ「おやすみ、ジョギ~」

ジョギ「わふ!」

チャプター3(一体誰が!?)

次の日の朝

カリナは目覚めると腕のストレッチをしながら思い切りあくびをした。 そして、家の中を見渡すと、なんだか少し違和感があることに気づいた。

カリナ「ねぇ、エリ。起きて」

エリ「ん~…。朝からなに?」 まだ寝ていたいエリは目を閉じたまま眠そうに答えた。

カリナ「昨日の夜、部屋を掃除したりした?」

エリ「何言ってるの…?掃除はいつもカリナがしてるでしょ…」 ようやく少し目を開けてだるそうにソファに座ったエリは答えた。

カリナ「ほら、あそこ。その靴、昨日はそんなにきれいじゃなかったよ」 カリナは彼女が昨日履いていた靴を指さして言った。

細かすぎる変化に正確に気付いたカリナの推測に人知れず驚いた者がいた。

カリナは床で忙しそうに器に入った水を飲むジョギに目をやった。 昨日水をいれた記憶はないのにどうして・・・

カリナ「ジョギに水あげたの?」

エリ「さっきから何言ってるの。カリナ変だよ?ふぁぁ~眠い・・・」 あくびをしながらまたソファに横になりながら言うエリ。

ひょっとして。ふと頭に浮かんだことを確かめるべくカリナはキッチンに向かった。

カリナ「エリ!!」 シンクを見ながらカリナはエリを呼んだ

エリ「今度は何よ・・・?」

カリナ「あなた、昨日お皿洗った?」 困惑しながらカリナはエリに尋ねた。

エリ「えぇ?カリナ、あなたちょっと変だよ」

カリナ「絶対あなたがやったんでしょ。一体他に誰が・・・」

カリナはまだ寝ようとしているエリを見てから水を飲むジョギのもとへ歩いて行った

カリナ「ジョギ~あなたがやったの?そんなわけないわよね。エリはやったのに認めないし。あはは、まったくおかしな子。」

ジョギのそばにしゃがんでカリナは話しかけるように言った。 ジョギはまだ忙しそうに水を飲んでいた。

カリナ「あれ?ちょっと・・・」 カリナが驚いたように言った。

カリナ「ジョギ、あなたの前足濡れてる?」 カリナはジョギに聞いたが、ジョギは答えない。 それもそのはずただの犬であるジョギが答えるはずがない。

ありえない考えがカリナの頭によぎった。 しかしそんなことがあるはずがないため、カリナはその考えを飲み込んだ。

カリナ「足をお水に入れちゃったの?ジョギ~?」

ジョギ「わふ!」

カリナ「ほんと?」

ジョギ「わふ!」

カリナ「バカ、自分のお水が汚れちゃうでしょ~!まったく~」 カリナはジョギの頭を優しく撫でた。

ジョギ「わふ」

カリナ「エリったら。自分がやったのに言わないなんて。いつもだったらご褒美もらうために言ってくるのに。今朝はそんなに眠かったのかなぁ?」

カリナは舌を出しながらこちらを見ているジョギに向かって言った。

ジョギ「わふ!」

カリナ「着替えてくるから。エリと一緒にいてね。あなたにも見えてるんでしょ?あの子を起こしてきて」 カリナがそう言って立ち上がるとジョギはひとりでエリの居るソファへと向かっていった。

(わぁ。。。あんな細かいところまで気づくなんて。次はもっと気を付けなくちゃ・・・)

ジョギはソファに登るとエリの上に乗るとエリの顔の上に座った。 それは、もちろんお尻をエリの顔に乗せていることを意味する。

エリ「もやぁあああ!ちょっと!この犬!私の顔によくもお尻を!!」 エリはソファから起き上がると枕を掴んで今にも殴りかかりそうな勢いで言った。

ジョギ「ワン!」 ジョギはエリから逃げるようにソファを降りた。

エリ「やああ!!ここ数日誰があなたにエサをあげたと??この私よ!!恩を仇で返すなんて、このっ!!」

ジョギ「ワン!」

カリナ「ちょっと・・・エリ何やってんの?」 着替え終わったカリナがやってくると臨戦態勢のエリを見つけて言った。

エリ「この犬・・・!私の顔に・・・お尻を乗っけたのよ!!」 エリは自分の拳をジョギに見せつけた。

ジョギはカリナのいる位置まで駆け寄るとカリナの後ろに身を引っ込めた。

カリナ「それは私が頼んだのよ~」 カリナはクスクス笑ってエリに言った。

エリ「あんたが?!」

カリナ「いや~あなたを起こしてって頼んだだけよ。人の言葉が本当にわかってるみたい。ジョギは賢い子ね」 カリナはジョギの頭を撫でながら誇らしげに言った。

ジョギ「わふ!」

エリ「ジョギ!覚えてなさいよ!」

チャプター4(もしかしてジョギが?)

カリナがジョギを迎え入れてから3日が経った。

カリナはジョギを飼うようになってから部屋がなんだか小綺麗になっていると感じていた。 カリナも綺麗好きで掃除をするほうだが、それでも少し違和感があるくらい部屋がきれいになっていっている気がするのだ。

再びカリナはエリに何度も聞いた質問をした。

カリナ「エリ、もう言ってよ。私が帰る前に掃除したでしょう?」

エリ「いや~?」 エリは置かれたテレビのリモコンまで駆け寄り、テレビの電源を入れた。

カリナ「そろそろ認めたら?ありえない考えが浮かんじゃうじゃない」

エリ「いや!本当に私はしてないんだから認めようがないじゃん。っていうかありえない考えって?」

エリは毎日同じ質問を繰り返すカリナに困惑しながら言った。

カリナ「もしかしたら、ジョギがやってるんじゃないかって。でもそれはないでしょ。子犬がそんなことするなんてありえないし~」 笑いながらエリの隣に座ってカリナは言った。

エリ「ありえないって~」

床で寝転がっているジョギはただ二人を見つめていた。

カリナは床のほうに目をやると、しばらくそのまま怪しんだ目つきでジョギを見つめて言った。 カリナ「あなたじゃ・・・ないよね?」

返事はない。

カリナ「そりゃそうよね~」 カリナは息をついて言った。

エリ「たぶん他にも私みたいにこの家に幽霊が来てるのかも。それで掃除していってるんじゃないかな?」

エリの言ったことは思い付きだが可能性はありそうだ。

カリナ「あぁ!でも、・・・どうして?」

エリ「その子はきっとカリナのこと好きなんだよ!ふ~~!」

カリナ「まったく。そんなのあるはずないって」 エリの思い付きの話にカリナは笑いながらそう言った。

ジョギ「・・・・」

チャプター4は一部内容をカットしています。(物語にあまり大きく関与しないと考えたため)

チャプター5(人間)

ある朝、カリナとエリが仕事に出かけた後、ジョギは家でひとり過ごしていた。

ジョギは誰もいないことを確認した。 ついでにエリが言ってた他の幽霊が家にいないかも。

(大丈夫そうね・・・)

ジョギはソファに登ると目を閉じた。

 

いち

 

 

さん

 

3つ数えるとジョギは人間の姿へと変化した。

電源がついていないテレビの黒い画面にはソファに座って自分を見つめる人間の姿をしたジョギが写っていた。

家の掃除は既に彼女の毎日のルーティンだ。 カリナは薄々誰かが家を掃除していることに気づいてるみたいだけど、もちろんそれは全部ウィンターがやったことだ。 カリナにはダンマリを決め込んでいるが。

ウィンター「退屈だなあ~。家でひとりは~」 ウィンターは腕を伸ばしてストレッチしながらソファに寄りかかって言った。

テレビをつけて、ニュースを見てみても、やっぱり退屈だ。

ウィンターは掃除機をかけることにした。 壁に立てかけてある掃除機を取って、家を掃除し始めた。

 

ブォーーーン。

掃除機で家のあらゆるところまでホコリを吸い取ると、ウィンターは誇らしげに笑った。

突然。

壁をすり抜けて誰かが現れた。

エリ「やばい!ジョギにエサを用意しておくの忘れてた!!ジョギのエサはたしか・・・、あれ?」 エリは困惑した表情で掃除機を持ったウィンターを見つめた。 お互い驚いた表情をしながら見合っていた。

こんな時間には家にいないはずのエリが突然現れた驚きと、秘密を知られてしまうのではないかという恐れからウィンターは固まってしまった。

エリ「あなた・・・」

ウィンター「ち、違うの!」

エリ「もしかして・・・・」

ウィンター「わ、私・・・違うの!」

エリ「もしかしてあなたがカリナのために家を掃除してる幽霊?カリナのことが好きな子?そうでしょ!」 エリは興奮しながら言った。

ウィンター「え?」

エリ「カリナのこと好きなんでしょ?だから家を掃除してあげてるんだ!」

ウィンター「あ、あ~!そうなんだ!」 まさか自分が子犬のジョギだとは言えないウィンターはエリの言う幽霊のフリをすることにした。

エリ「あなたとってもきれいだね~」

ウィンター「あ、ありがとう。」

エリ「そういえば、ジョギを見なかった?」

ウィンター「ジ、ジョギ?誰のこと?」 不意な質問にドキッとしつつウィンターは答えた。

エリ「うん。白い子犬で、うちで飼ってるんだけどね。ここにいるはずなんだけどな~。どこいったんだろう」 エリはそう言いながらジョギを探すが見当たらない。

ウィンター「えっと~・・・ごめんなさい、子犬は見てないよ。どこかに隠れてるのかも?」 動揺しながらウィンターは答えた。

エリ「う~ん。そっか~。ところであなた名前は?」 エリはウィンターを興味深そうに見ながら聞いた。

ウィンター「えっと・・・名前・・・私は、そう!ウィンターが私の名前!」

エリ「ウィンター?よろしくね。私は内永エリ。もうお店のほうに戻らないとだから。代わりにドッグボウルに餌を入れておいてくれる?」

ウィンター「わかったよ!」

エリ「あぁ。それと!」 そういうとエリはウィンターに近寄った。

エリ「家で!変なこと!するんじゃないわよ!わかった?」 にらみを利かせながら言うエリに思わず息をのむウィンター。

ウィンター「う、うん!オッケー!」

エリ「じゃあもう行くから!ばいばいウィンター!またね。」 エリは手を振ると壁の向こうへ消えていった。

ウィンター「ふぅ~。危なかった・・・」 ウィンターは大きく息をつきながら言った。 エリが自分を幽霊だと勘違いしてくれたのが救いだった。

ウィンター「まったくバカだなぁ。本当に私が幽霊だって信じちゃうなんて。あはは」 確かにウィンターの言う通り、エリはおバカな幽霊の一種だ。 その後ウィンターは掃除機を元の場所に戻した。

ウィンター「完了~!」

ウィンターはドッグボウルの置いてある場所に向かうとエリに頼まれてあったご飯の補充をした。 これでエリとカリナが戻ってきたときに疑われることはない。

ウィンター「そういえばエリは、カリナに私のことなんて言うだろう?」

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エリ「カリナ!!」 エリはフラワーショップに入るなりカリナの名前を呼んだ。 幸い、お客さんは誰もおらずカリナは返事をした。

カリナ「なに?どうしたの?ちゃんとジョギにご飯あげた?」

エリ「私が言ってた幽霊が本当にいたんだよ!家に今!!」 エリは飛び跳ねながら興奮して言った。

カリナ「幽霊?なんの話?何があったの??」 カリナは困惑しながら尋ねた。

エリ「私がこの前言った!あなたのことが好きな幽霊だよ!その子がいつも家の掃除をやってて、今家に行ったら居たんだって!」

カリナ「ええっ?!」

エリ「その子、ウィンターっていうんだよ!!」

チャプター6(夢)

チャプター6(夢)

カリナとエリは帰宅するとすぐにジョギの姿がないか見渡した。 エリとカリナは何度か名前を呼んでみるも返事はなく姿も見えない。

「ジョギ?ジョギや~?どこにいるの~?」

エリが名前を呼びながらカリナの寝室を見に行ってみると白い子犬の姿を見つけた。

エリ「カリナ!ここにいたよ!」

エリがカリナの寝室で眠っているジョギを指さしながら言った。

カリナが急いで駆け寄ると、ジョギはベッドの下ですやすやと眠っていた。

カリナ「かわいいわね~」 カリナは思わず笑顔になって言った。

エリ「ふあぁ~。私も眠いから寝るね。おやすみカリナ~」 エリはあくびをしながら寝室を出ていった。

その様子を見ながらカリナは呆れた表情で笑った。 カリナ「まったく、あの子は。大して働いたわけでもないのに」

カリナはベッドの前に座って再び眠っている子犬を見つめた。

カリナ「ジョギ、今日はいっぱい遊んだの?だからそんなに疲れてるのかな?」 そういうとジョギがカリナの声に反応したのかゆっくりと目を開けた。

カリナ「おっと、ジョギ。起こしちゃった?ごめんね邪魔して・・・」

(帰ってきてたんだ~)

カリナはジョギを持ち上げると自分のベッドに乗せた。 そして、自分もベッドの上に寝っ転がって隣にいるジョギを優しく撫でた。

カリナ「おやすみジョギ~」 ジョギを優しく撫でながらカリナは眠りにつくためにゆっくりと目を閉じた。

(おやすみ、ジミンオンニ・・・)

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翌朝

カリナが目を覚ますと、日はすでに昇りきっているころだった。 彼女が目を覚まして最初に目に入ったのは床からこちらを見つめているジョギだった。

カリナ「んん・・・あなたも起きたの?」 眠そうな声で話しかけるとジョギは頭を傾ける仕草をして嬉しそうにしっぽを振った。

起き上がったカリナはあくびをしながら思いっきり腕を伸ばしてストレッチをした。 そのまま立ち上がってリビングに向かうとエリが朝食を作っているところだった。

カリナ「おはようエリ~」

エリ「カリナ、おはよう~。ごめんね、大したものじゃないけど朝食作ってるから」

カリナ「ありがとう。」 そう言うとカリナはドッグボウルがあるところまで歩いていきジョギの食べ物を用意した。 ジョギが嬉しそうにしっぽを振りながらご飯を食べ始めるのを確認すると、 カリナはエリの作る朝食が完成するのをソファに座りながら待つことにした。

カリナ「ねぇ、エリ」

エリ「ん?」

カリナ「私ね。昨日変な夢を見たんだ」

エリ「どんな?」

カリナ「ん~~…誰か人がいてさ。私の隣で眠ってたんだよ」 食事を楽しんでいたジョギだったが、カリナのその言葉にドキッとした。

エリ「どういうこと?」 カリナはダイニングテーブルのところまで行くと昨日の夢のことを話し始めた。

カリナ「昨日私の隣で女の子が寝ているっていう夢を見てね」 テーブルに並べられた食事を見ながらカリナは言った。

エリ「その子、綺麗な子だった?」

カリナ「うん」 カリナの正直すぎる返答にエリは目を大きく開いて驚いた。

エリ「えっ?」

カリナ「きれいな子だったよ。それはもう本当に綺麗だったよ…」

エリ「カリナがそこまで言うなんて、よっぽどなんだね~!」 エリが笑いながら言うそばで、人知れず動揺しながら水を飲んで落ち着こうとしている子犬がいた。

(うそっ?! 私、寝てる間に人間の姿になってたの??)

カリナ「まぁただの夢だよね~。あんな綺麗な子がいるなんて思えないし」 食べ物をつつきながらまだひとつも口にせずカリナは言った。

エリ「たまたま今回そんな夢を見ただけじゃない?」 エリはトーストを頬張りながら言った。

エリ「夢の中に出てきた子のことをそんなに気にすることないって」

カリナ「う~ん…」

エリ「はやく食べちゃおうよ。夢のことは置いといてさ」 まだひとつも朝食に手をつけていないカリナを見ながらエリは言った。

エリ「何がそんなに引っかかってるの?」

カリナ「わかんない…」

エリ「なにか問題があるの?」

カリナ「そうじゃないんだけど」

エリ「なら、何?」

カリナ「やっぱりわかんない」

エリ「一体どうしたってのさ…」 エリはため息をついて朝食を続けたが、カリナは依然として考えにふけっていた。

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カリナ視点

朝食を食べ終わると、私は寝室に仰向けに寝っ転がった。 ジョギも寝室に入った私に付いてきたようで、すぐそばの床で横になった。

それから私はその白い毛並みを見つめながら再びあの夢について考えていた。

どうして私の頭からあの夢のことが離れないんだろう・・・?

どうして私はなにかに期待しているんだろう・・・?

どうしてあの夢を思い出すたび、ドキドキしちゃうんだろう?

どうしてあれがただの夢だってことがこんなに悲しいんだろう・・・?

 

本当はエリにも言ってないことが一つあるんだ。

 

 

 

 

本当はね

 

 

 

私、あの子に触れたんだ。

 

 

 

 

 

夢の中であの子に。

 

 

 

 

 

 

その感触は今でも鮮明に思い出せるくらいリアルだったんだ。

 

 

 

チャプター7は次のページから。

チャプター7(あなたなの…ジョギ…?)

ジョギがカリナの家に来てから2週間が経った。

この2週間、カリナはあの女の子が出てくる夢をもう3回も見ていた。 エリに話そうか迷ったが、また変な顔をされそうで言えずにいた。

眠りから覚めるたび、夢の中で見たあの子の顔を思い出す。

あの子の。

あの綺麗な顔を。

心臓の鼓動がとても高鳴っていることに気づく。 どうしてこんな風になっちゃうんだろう。

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夕方、カリナが仕事から戻るとジョギがベッドの下でスヤスヤ眠っていた。 その姿を見てカリナは思わず笑みがこぼれた。

カリナ「本当にかわいいわねジョギは~」

エリ「でも変だな~」 エリの突然の言葉に困惑しつつカリナは尋ねた。

カリナ「なにが?」

エリ「ウィンターだよ。最近あの子を見てないから」

カリナ「ウィンター?誰のこと?」

エリ「前に話した幽霊の子だよ~。カリナのことが好きな」

カリナ「もしかしたら…あの世に帰ったとか?」

エリ「どうだろうね~」 エリは適当に聞き流すともうそれ以上は考えるのをやめたようで、テレビを見始めた。

 

突然。

カリナの頭にある考えが浮かんだ。

カリナはエリが座っているリビングのとこまで早足で歩いていった。

カリナ「エリ!」

エリ「わぁ!!びっくりするじゃん!」

カリナ「エリ…そのウィンターってどんな子だったか教えて」

エリ「ん~綺麗な鼻に…丸い目で…可愛らしい顔立ちしてて、まさに美って感じだったかな」 エリはカリナに前に家の中で会った女の子の特徴を話した。

どうしてだろうか。 エリの話すその子の特徴は、夢の中で見た女の子に似ているとカリナは思った。

カリナ「その子、ショートの黒髪じゃなかった?」

エリ「肩くらいの髪の長さがショートならそうとも言えるね」

(うそっ?!私が見た子と同じだ!)

カリナ「エリ…私が今何を考えてるかわかる?」

エリ「え?」

カリナ「多分その子、私が夢の中で見た子と同じ子だと思う」

エリ「ほんとに?それなら二人は運命なんだよきっと~」

エリはニヤニヤしながら手を叩いて茶化しながら言った。

カリナ「なによ…」

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夜、カリナがベッドに入るとジョギがベッドに登ってきて隣に横になった。

カリナは横になって隣りにいるジョギを優しく撫でた。

 

カリナ「おやすみジョギ…」

「…」

 

(神様…もう一度あの子に会わせてください…お願いします)

カリナはまた夢の中であの子に会えることをお願いしながら眠りに落ちた

 

 

 

 

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深夜3時

カリナは自分が夢を見ていることに気づいた。

今夜眠るときに会えるようお願いしたあの子がまた彼女の隣で眠っていた。

カリナはきれいなその子の顔を静かに見つめた。

カリナ「一体あなたは誰なの…」

この夢がずっと続けばいいのにと思いながら、カリナはゆっくりと手でその子の髪を整えた。

カリナ「あなたは…誰なの?」 カリナはその子を見つめながら小さくささやいた。

カリナ「ただの夢だなんて悲しいよ…」

カリナは眠っている女の子と反対側を向き、寝るときに置いた自分のスマホを取った。

カリナ「時刻は…深夜の3時15分か…」

時間を確認すると元の位置にスマホを置き、また目を閉じた。

 

 

 

(ちょっと、待って…)

 

 

 

 

(もしこれが夢なら、スマホで時間を確認できるわけが…)

 

 

カリナは目を開いた!

急いでその場から起き上がると、目を大きく見開いた。

カリナ「待って…嘘でしょ…」

驚きで口を手でおさえたカリナはゆっくりと、顔を右側に向けた。

カリナ「あの子が、そこにいるっ!!」

その子はカリナのすぐ隣で、眠っていた。

口を手でおさえたまま、パニックでカリナはベッドから出て立ち上がった。

カリナ「ありえない!こんなの…絶対ありえない!」

もう一度、カリナはスマホで時間を確認した。

時刻は3時16分。

その子はまだそこにいる。

カリナ「これ、夢なんかじゃない!!」

呼吸を整えて、部屋の中をぐるぐる歩き回って、カリナは自分を落ち着かせると、 もう一度寝ているその子に近寄った。

ゆっくりとベッドに上がると、寝ている女の子をゆっくりと指でつついてみた。

ツンツン

カリナ「やっぱり…夢じゃなくて現実だ」

(確かエリが会った女の子の名前はウィンターって言ってたよね…)

カリナ「ウ、ウィン…ター…?」

返事はない。

カリナ「ウ、ウィンター?」

やはり返事はなかった。ぐっすり眠っているようだ。

カリナはジョギがどこにいるかを確認するために部屋の中をを見渡した。

しかし、そこに子犬の姿は見当たらない。

寝る前、ちゃんと部屋のドアは閉じたはず。窓も。

 

ひとつ。

カリナの中にありえない考えが浮かんだ。

本当に。本当に、絶対ありえないことが。

カリナ「そんなわけが…」

 

カリナ「ジ、ジョ…ギ..?」

「ん~~…」

眠ったままのその子が返事をした。

カリナは今起こっている現実が信じられなかった。

目を見開いて、口を大きく開けて、心臓の鼓動が破裂しそうなくらい早い。

もう一度、ゆっくりと寝ている女の子を呼んだ。

カリナ「ジョギ…」

「んぅー…なにぃ…オンニ…」

その子は目を閉じたまま、眠そうな声で返事をした。

 

まだ口元を手でおさえたまま、カリナはその子を見つめていた…

 

 

 

 

カリナ「あなたなの…?ジョギ…?」

 

 

 

つづく。

 

チャプター8(熱)

チャプター8

===

カリナ「あなたなの…ジョギ…?」

返答はなかった。

カリナ「ぐっすり眠ってるのかな…」

カリナはまたゆっくりとベッドに入って横になった。

まだ心臓のドキドキがおさまらない。 もうカリナの中にはひとつの確信があった。 隣で眠っているこの子は、紛れもなくジョギだ。

しばらくカリナは女の子を見つめていた。 自分がどうにかなっちゃいそうなくらい心臓の鼓動が早い。

しかしついに、カリナはまた眠りにつくことにした。

カリナ「明日は何もなかったフリをしなきゃ…」

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午前8時 朝

エリはカリナがなかなか部屋から出てこないことを不思議に思い、 部屋のドアをノックした。

エリ「カリナ~?」

返事はない

エリ「カリナ!仕事遅れちゃうよ!起きて!」

それでも返事はない。

すでに起きていたジョギはカリナの様子がおかしいことに気づいていた。

(はやくエリオンニに知らせないと…!)

ジョギはドアのところまで歩いていき、内側からドアを引っ掻いた。 音に気づいたのかエリは扉を開けて部屋に入った。

エリ「あいご~ジョギ~。どうしたの?お腹空いてるの?」

ジョギ「わぅ~」

エリはまだベッドで横になったままのカリナのそばまで行き体をゆすった。

エリ「カリナ?ねぇ、カリナ?」 エリは呼びかけたが、カリナの顔色が良くないことに気づいておでこに手を当てた。 その時エリは初めて、カリナが高熱でうなされているのに気づいた。

エリ「うそ…どうしよう?すごい熱じゃない..」

エリはパニックになった。 彼女は幽霊なので病院までカリナを連れて行くことはできない。 仮に連れて行っても、今にも倒れそうなカリナが一人で病院にやってきたのを見たら大騒ぎだ。

カリナ「エ…リ…」

エリ「カリナ!病院いかないと。ひどい熱だよ」

カリナ「いいって…大丈夫だから…心配しないで…」 エリを心配させないようにカリナは元気に振る舞ってみせようとした。

エリ「何いってんの!はやくイェジに電話して!今すぐ!」

カリナ「はぁい…わかったって…」 カリナは諦めたように言った。

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カリナは病院のベッドで休んでいた。隣には親友のイェジとエリが。 (イェジには幽霊のエリは見えていない)

イェジ「お医者さんは疲労が原因だろうって。ひとりでお店を経営なんて大変でしょ」

カリナ「大丈夫だって~」

エリ「わたしがいてよかったね!誰もいないときも助けてあげられるし!」 エリは大きな声で言ったが、イェジが隣にいるのでカリナは無視することにした。

カリナ「今日はありがとうイェジ。もう行かないとでしょ?私はタクシーで後から帰るから大丈夫だよ。」 イェジは本当は残りたかったが、どうしても外せない仕事の予定があった。

イェジ「本当にごめんね、カリナ。本当はもっといてあげたいんだけど」

カリナ「いいって~!謝らなくていいよ。忙しいのにありがとう。」 カリナはイェジの手を優しく握って感謝を伝えた。

少しして、イェジは仕事に戻っていった。

エリ「熱が出たのって…本当に疲労が原因…?」 突然エリが尋ねた。

カリナは周囲に誰もいないのを確認すると、エリに話し初めた。

カリナ「実はそうじゃないの…」

エリ「本当の理由は?」

カリナ「昨日夢を見たの…」

エリ「カリナが体調を崩すくらいの夢って一体どんな…?」

カリナは昨日の出来事を話したくなかった。それが彼女が体調を崩した本当の理由だった。

カリナ「ただの…悪い夢…」

エリ「でも カリナ…」

カリナ「そういえばエリ、一旦家に戻ってくれない?朝もジョギのご飯用意してないから、すごくお腹空かせてると思う。」

エリ「そうだね わかった!行ってくるよ~」

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カリナは病院のベッドで静かに眠っていた。 手首には点滴が繋がれたままだった。

カリナは一人ではなかった。そばにもう一人、誰かが立っていた。

ウィンター。

彼女がそこにいた。

カリナが病院にいったのを知ったウィンターは密かに病院までついて来ていた。

エリが病院から出てからカリナが眠りについたのを確認してからウィンターは人間の姿になった。

眠っているカリナに近づくと、ウィンターは小さくささやいた。

ウィンター「どうしちゃったのオンニ…?本当に悪い夢を見たの…?」

ウィンター「はやく元気になって..またいつもみたいに…一緒に過ごしたいよ…」

彼女はゆっくりとカリナの手をとって、起こさないように優しく握った。

しばらく眠っているカリナを見つめていると、突然、後ろから声がした。

??「あの、すみません」

ウィンターは目を大きくして後ろを振り返ると、男の人が後ろに立っていた。

ウィンター「は、はい…?」

??「あなたは…?」

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つづく。

 

チャプター9以降は以下のリンクから。

【Part2】カリナ「捨てられた子犬のウィンターを拾った話」(Aespa小説)
チャプター1~8までは以下のリンクから。 更新状況 2022-04-09 チャプター9が追加されました! 2022-04-14 チャプター10が追加されました! 2022-04-26 *チャプター11...
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このストーリーは全部でチャプター17まで存在します。

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チャプター9以降の掲載について。

ページ数が多くなってきたので、チャプター9以降は新しい投稿として掲載することにしました。

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